第1章 Ⅰ
「あれ・・・」
ここは学校じゃない・・・?
それに私の部屋でもない。
あっ...この落ち着く香りは、シュウの部屋だ。
隣を見ればシュウが居る
私が問い掛ける前にシュウの手が髪に触れた
『随分過激なトモダチができたんだな。』
「・・・うん。」
『もう行かなくてもいいんじゃねぇの?』
「行きたい。」
トモダチが欲しい。
髪を撫でていた手が止まった。
それと同時に乱暴に扉が開かれた
『!!!』
「あ、スバル。」
シュウはため息をついた。
『オマエ・・・!髪・・・。』
「明日綺麗に切るよー。」
『あぁ!?そうじゃねぇよ!誰にやられたんだよ?』
すぐ怒鳴るのはスバルの悪い癖だ。
何て答えよう...トモダチ...ではないんだよね?
髪を撫でていた手が私の耳を塞ぐ
辛うじて聴こえたのは【ライトが────】だった。
『なっ・・・!部屋戻るぞ。』
シュウの手を振り払い急かすスバル。
でも私眠いよ。
「めんどくさいからここで寝る。」
今から寝るといわんばかりに、ベッドに潜り込む。
『オレのベッドなんだけど?』
『ふざけんな!』
「じゃあシュウおんぶ。」
『めんどくさ。』
「では、おやすみなさい。」
『おい!寝てんじゃねぇ!!』
『スバルうるさい。出てけ。』
『・・・チッ。に変な事したらタダじゃおかねぇからな!』
扉に当たるように乱暴に開けて出ていったスバル
「変な事なんてしないよね!!」
包まれた毛布から少し顔を出してシュウに話しかける。
するとシュウは片目だけで私を見て、微笑を含め口角を上げた。
私はその姿に見蕩れてしまって、ゆっくりと覆いかぶさってきたシュウから逃げ遅れてしまった
『変なことって?』
『なに?』
「!?」
「っ・・・近い!!」
触れるシュウの前髪がくすぐったい。
『オレのベッドに居るって事は、ナニされてもイイって事だよなぁ?』
「ち、違います!!」
『ククッ・・・顔紅いけど?』
楽しげに笑うシュウ
絶対私のことからかってる...。
「す────んっ!?」
『耳元で叫ぶな』
大声でスバルを呼ぼうとしたら口を手で覆われた。
『ん?』
優しく微笑んで返事を求めるシュウ
これは逆らったらダメなやつだ。