第7章 Ⅶ
まだふたりで居たい。
くるりと踵を返しシュウから離れる様に泳ぐけど、すぐに捕まってしまう
『・・・離れるな。』
水面に顔を出した瞬間に怒られた。
「もう少しだけ」
シュウと居たい。
『断る。』
『あまりイライラさせるな』
「久しぶりに会えたのに
そんなに怒らなくてもいいと思うよ。」
『どうせバカなの事だ。
アイツに騙されて、そんな痕つけさせたんだろ?』
バカ?
「結果的には騙されてたかもしれないけど、
だけど────」
シュウの唇が私の唇に触れた。
驚く私を見て満足そうに微笑むシュウ
顔が熱い...
思わず下を向く私を抱き上げ言った。
『解らない?』
そんなに大切そうにみないで欲しい...
勘違いしてしまいそうになるじゃない。
濡れた髪をそっと耳へ掛けられる。
「んッ・・・。」
シュウの指が触れただけでこの有様だ
『オレを見なよ。』
「や、やだ!」
『へぇ。抗うわけ?』
シュウの指が私の唇に触れた
『オレに会いたかったのに?』
そのままシュウの指は首を撫でる
「あッ・・・」
私は焦って口を抑える
『オレには聴かせられない・・・か。
本当イラつく。』
「───ッ!!」
突然首元に痛みがはしる
シュウが牙をたてたのだと理解した瞬間身体から力が抜けた。
「シュウっ・・なんか、
変な・・ッん感じ・・・」
熱くなる身体が少し怖くて必死にシュウにしがみつく。
『っ・・・変な感じ?』
私は何度も頷いた。
『こっちは、とっくに
変な感じなんだけど?』
「シュウも、同じ?」
『あぁ。』
それが嬉しくて自らシュウに唇を重ねた。
『何がそんなに嬉しいんだか。』
そう言うシュウだって────・・・
ギュッとシュウを抱き締める。
『暖かいな。』
「寒かったの?」
『ずっと寒かった』
ある程度の寒暖は何にも感じない私達。
「シュウ寒がりだった?」
『に貸した上着を羽織って寝れば
少しは紛れた・・・けど』
「けど?」
私が居なくなって寒くなったのかな?
『の匂いが消える頃には
意味なくなってた。』
「シュウ・・・」
それは寂しいって言うんだよ。
言ったら否定するだろうから言わないでおくね。
「私もシュウと居ると暖かくなる
だから帰ろうか?」