第1章 Ⅰ
学校って、もっと楽しい所だと思っていた。
別に誰かが兄達を好きな事に文句はないし、勝手にしてくれればいい。
だけどさ。私が逆巻家の者だって事を蔑み、否定されたらイイ気はしない
友達だと思っていた子にバカにされ罵られ、人を見る目が無かったんだと、相手にしなければ余計に【生意気だ】と責め立てられた。
私だって好き好んで兄妹になったワケじゃない。
それでも大事で大切な兄達
少し過保護な気もするけど...。
「痛ッ・・・!!」
今私は誰もいない教室で数人のニンゲンに取り囲まれている。
急に髪を強く掴まれた。
鋏を持つ片手は、私の髪を切ろうとしているに違いない。
折角伸ばした髪を切られるのは悲しいけれど、それで気が済むのであれば...
私は大人しく目を閉じた
聴こえたのは髪を切る音ではなく、シュウの声だった。