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Abiding Love

第6章 Ⅵ



『あとは後ろに居るアンタの兄貴にでも聞いてくれ』

え?カルラさん?
いつの間にかシュウの背後にカルラさんは居た。

『じゃあ一言言わせてもらうけど、なんで始祖との約束を破ったの?』

シュウさんが答えるよりはやくカルラさんが答えた。

『シン。王が変れば又条約も変わる・・・そうだろう?ヴァンパイアの王よ。』

『・・・めんどくさ。』

────シュウが王?

『なんだよソレ。』

『シンよせ。』

『ムカつくついでに言わせてよ。
・・・アンタに恋人なんて居なかった』

────え?

「良かった・・
シンくんは傷ついてなかったんだね?」

『っ!?・・そっち?
あぁもうアンタが幸せならそれでいいよ。』

有難うシンくん
私はシュウと生きたい

『。いつでも帰ってくるがいい。』

カルラさん...。

『めんどうだから泣かさないでくれ』

そのまま私達は月浪の屋敷を後にした。

「・・・ん。」
いつの間にか寝てしまったようで妙な心地良さに目が覚めた

瞼をあければ綺麗な夜空があった。
口を開けばポコポコと気泡が空へと消えていく

ここは・・・水の中?
水があまりにも透明過ぎて理解するのに時間が掛かった。

それにしても綺麗だな。

そのまま水に身を任せれば静かに沈む。
それがとても気持ちよくて又瞼を閉じた

だがシュウによって水面へと連れて行かれた。

「あ。ここ湖だったんだね。」

シュウの腕の中夜空を見上げる

「お家帰らないの?」

シュウに視線を移せば怒っているような表情。

「怒ってる?」
折角会えたのに...

『べつに。それよりアンタの身体からアイツの匂いがするのは何でだ?』

「アイツってシンくん?」

『他に誰がいる。・・・それとその痕。』

「痕・・?は良く解らないけど、シュウの匂いがいいな...。」

シュウは一瞬驚き口角を上げた。

『ソレ意味解って言ってるわけ?』
瞼にシュウの唇が触れる。

「え?私シュウの香り好きだよ?」
今度は私がシュウの頬にキスをする。

恥ずかしくなり湖へ潜り水底へと足をつける
水草がゆらゆらと揺れている様は美しく暫し目を奪われた。

触れようと手を出すが、私はもっと綺麗ななモノを知っている

振り返れば少し離れてこちらを眺めているシュウが居た。

目が合えば顎で水面を示した。


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