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Abiding Love

第5章 Ⅴ



────あれから何度か月が欠けた

『が学校行くなんてキモチワルイんだけど...。』

やっと学校に通える様になった

特別教室だからシュウ達に会うことはない
解っていたけど、偶然会うのが怖くて中々登校出来ないでいた。

「うるさいなー。」

『のクセに生意気。』
いつの間にか伸びていた髪をシンくんに引っ張られる

「カルラさん!シンくんが!」

カルラさんの後ろに隠れてシンくんを見る。
『シン。髪は女の命という程に大事なモノだ。』

『兄さんに甘すぎない?』

───徐々に徐々に慣れてきた 始祖に成れてきた。

「そう言えばカルラさん。使い魔が戻って来ないの..」

『まだ子供だったな?何処かで迷っているのかもしれん。』

『仕方ないからオレの使い魔に探させてやるよ。』

「心配だから探してくる!」
「先に教室行ってて。」

カルラさんとシンくんを置いて走り出す
2人の会話を耳にしないまま...

『・・・あれじゃあ使い魔の意味ないでしょ。』

『シン。使い魔をにつけておけ』

『本当兄さん過保護過ぎじゃない?』

『いや。唯の杞憂で済めばいいのだが近頃とある噂を耳にしてな』

『あぁ。アレ・・・ネ。』


あ。シンくんの指笛が聞こえた
うちの子探してくれてるのかな?
馬鹿にされる前に自分で見つけなきゃ!

こっちの方だと思うんだけどなぁ
図書室・・・ここかな?
扉を開け一歩足を踏み入れた途端感じた
────思い出さないようにしていた愛しい香りがする。

この、好きという感情は簡単には消せないみたいだね。
薄暗い図書室の片隅に彼は居た。

脚を進める度に思う。

その柔らかい髪を触らせて
一緒に寝よう
抱き締めたい
面倒くさそうに名前を呼んで

綺麗な顔で静かに寝息をたてているシュウ。
その横には私の使い魔が居た。
枕にされてる...。

「シュウ」

会いたかった

「シュウ」


簡単には起きないシュウだけど、気持ちよさそうに寝ていて私は名前を呼ぶだけで精一杯だった。

手を伸ばせば届く距離。

「シュウを守ってね。」
私の手は使い魔を撫でた

早く教室に戻らなければ怪しまれる
何より求めてしまうのが怖かった。
出来ることなら、もうずっとシュウの傍に居たいけど

顔が見れただけで充分だ。



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