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Abiding Love

第5章 Ⅴ



『なにも変わってないから安心しなよ。』
そう言って私の頭を撫でた

その優しさに胸が痛む。

シンくんは私を抱き寄せ瞼にキスをする

『コレで我慢してやるよ』

ベッドに押し込まれ寝るように促される
シンくんはベッドの脇に椅子を持って来て座り直した。


今シンくんは、どんな気持ちでいるのだろうか
私には計り知れない。

「シンくん寝ないの?」

『寝るよ。』

「どこで?」

『ここで。』

「それはダメだよ!こっちおいで?」
端に寄らなくても広いベッド。
これは私のベッドだ と、シンくんは言っていた。

『イヤだね。』

「何で!」

『何でも。』

「・・・ケチ。」

『・・・ムカツク。』
シンくんは渋々私の隣に腰をおろした。

「ふふ。ありがとう。何だかんだいって優しいよねシンくん。」

『逆巻の家で、どう暮らしてたか知らないけど・・こんな簡単に男をベッドに上げたりしたら』
『どうなるのか、わかんないの?』

「えっ?」

『もっとこっち来なよ。』
シンくんに身体を引き寄せられ腕の中に捕われてしまう。
『こんな風に・・・ネ。』

あれ・・・なんだろう?

『ひっどい顔。何か言ったら?』

「ひどい顔は余計じゃない?」

恋人だったから?

「ねぇシンくん?」

『何?』

「シンくんに抱きしめられるのイヤじゃないよ。」

『当たり前でしょ。』と上機嫌で、また私のおでこにキスをするシンくん。

「そ、それは慣れてないからっ!」
顔が紅くなるのが解るから隠す様にシンくんの胸に顔を埋めた。

私を閉じ込める様にギュッと抱き締めるシンくん

『おかえり。』

その言葉に私は何と応えればいいのだろう
シンくんを好きでいた事も忘れてしまっている私に【ただいま】なんて言う資格はない。

「はい。」
と応えるのが精一杯だった。

だって私は、帰りたいの。
帰りたいは、もう違うか・・・行きたい逆巻家に・・・戻りたい。



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