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Abiding Love

第5章 Ⅴ



あのまま私はシンくんに連れられて逆巻の家を出た。
シュウと言葉を交わさないまま...

あの日から何日経ったのだろう?
毎日毎日悪夢を見るようになった
その度にシンくんが起こしてくれる。
その度に酷く落胆する。

ここは・・・私は逆巻ではないんだと

『もう忘れなよ。アンタにはオレが・・・オレ達がいるでしょ?』

「そうだね。」
憎いと思えたならどんなに楽だろうか。
本当に忘れてしまえるなら、どんなに...
でも、逆巻の者がとても優しい事を知ってしまった。私が逆巻ではないのに家族の様に受け入れてくれた事も...。
そんなシュウが出した答えだ。
いつも寝てばっかで面倒くさがりな長男が自ら私に告げた真実だ。
疑いようもない

いつか悪夢は見ないようになるのだろうか?
いつかこの生活に慣れるのだろうか?
いつか・・・また。

『それにしても全く思い出せないもんなんだね。』

「ごめん。」

少し悲しそうにシンくんは指笛を吹いた
同時にどこからともなく狼が現れる。

「えっ!?」
「かっこいい...。」
綺麗な毛並みの狼達は瞳を輝かせて私を見ている

私が不思議そうに首を傾げれば狼達も同じ動作をした。

驚きシンくんを見ればシンくんもまた首を傾げてみせた

「っ...ふふ。」
可笑しいな。

するとシンくんの手が伸びてきて、私の頬にそっと触れた

『そういう顔...』
言いながらシンくんは顔を寄せる

「ちょ、えっ?」
睫毛が触れそうなキョリだ。

「待って。私────」

シンくんより早く狼が私の唇に鼻をくっつけた。
そのまま私の膝の上に前脚を乗せて尻尾を振っている
か、可愛い!!

『ちょっと!台無しなんだけど?』
不貞腐れたように狼はベッドから降りた。

『それで。』

「私!?」
何?

『どれ位待てばシていいワケ?』
意地悪な笑みを浮かべ問い掛けられる。

「そ、そういう意味じゃ...」
何て答えればいいのだろう?

「それに!こういうコトは恋人同士がするんだよ?」
何故かとても恥ずかしくなりシンくんに背を向けベッドに潜り込んだ。

『ククッ。こういうコトしてもいい恋人同士だったってのも忘れた?』

「本当!?」
慌ててシンくんに向き直る。

いくら記憶を書き換えられたとしても、そんなに大事な事を忘れるなんて

「私最低だ...」

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