第3章 第1話 “出会い”
男
おい、おれはその女にようがあるんだよ。お前は引っ込んでろよ。
タクヤ
お前なぁ。
ナギサ
タクヤ、いいよ。
タクヤ
だけど…
私は守ろうとしてくれたタクヤに断りを入れた。私は今この男に殺意を覚えているからだ。なぜなら、今この男が振り回しているネックレスは、ママからもらった私の大切なネックレス。その大事なものを見ず知らずの男に、しかも汚い手で乱暴に扱われているのがとても許せないのだ。
ナギサ
あんた、さっきから誰のネックレス振り回してんの?
男
あ?知らねぇーよ。そこら辺に落ちていたものを俺が拾ったんだ。どうしようと俺の勝手だろう。
ナギサ
確かにそうかも知れない。だけど、そのネックレスは私の大事な物よ。返して。
男
はっ。このオンボロのネックレスがか⁈はっはっはっ。笑わせるな。こんな汚いもの、おれが処分してやるよ。
男はそう言って私のネックレスを上に放り投げた。
私の怒りは最高潮。ネックレスを放り投げた男の左頬を殴った。
殴られた男は、そのままお店の扉を破り外へと殴り飛ばされた。
私はその間に、男が放り投げたネックレスを床に落ちる前に手に取った。