第6章 第4話 救えなかった命
タクヤ
お前強ェーな。
息切らしながら彼は言った。
ナギサ
あんたには言われたくないわ。
タクヤ
どうだ。おれと一緒にこの町守らねぇーか?
私は彼の誘いに乗った。
あくまでも憂さ晴らしに違いはなかったが。
数日後、私はタクヤの恋人、サラを紹介された。その時のサラの目は私と同じ目をしていた。どこが悲しげな目だった。彼女もきっと同じことを思ったのだろう。彼女は私を気にかけてくれていた。この時の私はどれだけ彼女に救われたことか。彼女のお陰で私は笑顔を取り戻していった。
サラも笑っていた。
ーーーーーハズだった。
ー2ヶ月前。
サラの誕生日。私達は、サラの誕生日を盛大に祝おうと数日前から準備をしていた。そのために私はサラにこの日にタクヤの家にくるよう伝えていた。
だけど、サラは何時になっても来ることはなかった。
ナギサ
私、サラの事呼んでくる!
タクヤ
おれもいく。
こうして私達はサラを呼びに彼女の家へ向かった。
ナギサ
サラ?いるなら返事して。