第7章 初任務-ただいまとおかえり。そして。-
「アレン君、自分勝手すぎるよ。」
リナリーの一言がグサッと来る。
「だって、自分が弱いからってニナを振るなんて…。
自分がニナを守れるくらい強くなってからもう一回告白しようとしたの?」
「はい…。」
「はぁ…。そんなのアレン君の都合じゃない…。しかもそのときまでニナがアレン君を好きなんて分からないでしょ?」
返す言葉がなくなる。
その通りだ。
僕が強くなったときにはもうニナは違う人を見ているかもしれない。
「いい?大事なのはね、アレン君の気持ち。アレン君がニナを好きな気持ちがアレン君を強くしてくれると思うよ?」
僕の気持ちが、僕を強くする……?
「それに、好きなんだし無理にニナを振る必要なんてないじゃない。せっかく好きな子が好きだっていってくれているんだし、その気持ち無駄にしちゃったらかわいそうでしょ?」
そうだ。
僕は結局、自分の事しか考えていなかった。
ニナがせっかく勇気を出して僕に想いを伝えてくれたのに
それを、振るなんて……。
僕はぐいっと涙をぬぐい、
「僕、ニナを探してきます。」
「えっ、ニナどこいっちゃったの!?」
「さ、さぁ…。勢いで飛び出しちゃって…。」
あはは…と笑いながら言うとリナリーがさっきの穏やかな形相とは一変して真っ青な顔になる。
「は、早く探しにいって!!あの子すっごい方向音痴なの!
しかも、独りなんて…。」
「リナリーも一緒にいきますか?」
「ばか!!今のニナを救えるのはアレン君だけ!
もうすぐ夜になっちゃうし、早く見つけてあげて!!」
ぐいぐいとリナリーに背中を押され、ニナの部屋を出る。
部屋に鞄を取りに行き、教団を出た。