第7章 初任務-ただいまとおかえり。そして。-
「はぁっ…。はぁっ…。勢いで飛び出しちゃったけど…。ここどこなんだろう…。」
教団を飛び出してからただひたすらに走り、今は鬱蒼とした森の中。
うう…だんだん日が沈んできてる。
完全に日が沈んだら真っ暗になってしまう。
そうなる前に、どうにかしないとなぁ…。
うろうろと森の中を歩いていると、座るのにちょうどいい切り株があったので腰かける。
「はぁ…。」
情けない。
なんであんな風に八つ当たりしちゃうんだろう…。
ウォーカーさんはなんにも悪くないのに…。
余計に嫌われちゃったなぁ…。
もうたぶん、話しかけてくれることも、優しく笑いかけてくれることも、してくれないんだろうなぁ。
そう考えるとさっきまで引っ込んでいた涙がまた溢れそうになる。
「これから…どうしたら良いんだろう。」
今さら教団に戻れないし。
あ、リナリー…。心配してるだろうなぁ…。
「ねえ」
突然後ろから声をかけられ、肩がビクッとする。
後ろを振り返ると若いお兄さんが二人立っていた。
ししししししらない人!!!!
どうしようどうしよう!!私襲われる!?!?!?
逃げようとするも、怖さで足がすくみ動けない。
「そんな怖がらないでよ。僕ら怪しい奴らじゃないし。そのコート、君黒の教団の子でしょ?こんな森の中で一人ってことは、迷ったんだよね?お兄さん達が教団までつれていってあげようか?」
にこりと笑うお兄さん達。
でも私にはそんな言葉、一切脳内に入ってこなくて。
私はすくんで動けない足をどうにかして動かしてそこから逃げた。