第7章 初任務-ただいまとおかえり。そして。-
僕は、最低だ。
分かっている、つもりだった。
僕が最低なことをしていることぐらい。
僕がこれくらいではこんなにも泣かないことくらい。
でも、僕は。
僕はなんで、こんなにも泣いているんだ。
僕はなんで、こんなにも悲しいんだ。
…僕は。
僕は、自分が思っていた以上に
ニナが好きだったようだ。
出ていったニナのあの表情。
たぶん僕は一生忘れることはない。
一瞬、追いかけなきゃ、と思ってしまったが追いかけても絶対
ニナを悲しませるだけ。
追いかけても、ニナの望む答えは出してやれない。
「アレン君、」
ドア越しから急に話しかけられて肩がビクッとする。
「リ、リナリー…。」
リナリーのなんとも言えない表情が伺える。
「一体……何があったの?ニナは?すごく大きな音したし、あんな声を荒げるニナ初めてなんだけど…。」
「っ…。僕が、僕が悪いんです。僕が…。」
「アレン君落ち着いて。とりあえず、話聞かせて?何があったの?」
と言ってリナリーが部屋に入ってきた。
僕はさっきのことを全てリナリーに話した。
全て話終えるとリナリーは呆れたようにため息をついた。