第7章 初任務-ただいまとおかえり。そして。-
「ニナ?今日はエイプリルフールじゃないわよ?嘘も方便って言うけれどさすがにそんな嘘は……。」
「リナリー、ほんとだよ。私、ウォーカーさんに告白しちゃったの。」
「……ほんとなの?」
「うん、ほんとほんと。」
「ニナ…。」
リナリーの目がうるうるし出す。
あれっ、私なにかまずいこといった!?
「おめでとうっ!!よくがんばったねっ!!!」
と言ってぎゅうっと抱き締められる。
「あ、ありがと。でもまだお返事もらってないんだ。」
「あ、そうなの?いつもらえるの?」
「今日だよ。部屋に来てくれるの。」
リナリーがするり、と私から離れる。
「そっかぁ…。うん、よかったわ。だって正直告白するまであと10年はかかるなぁって思ってたくらいなの。返事はどうであれ、伝えたことに意味があるんだからね。」
優しく笑ってくれるリナリー。
「うんっ!!」
それでまた嬉しくなる。
そうだよ、返事なんて気にしすぎちゃダメだ。
伝えたことに意味があるんだよね。
「あ、ごめんなさい。私兄さんにコーヒー入れにいってあげなくちゃ!」
「そっか!じゃあ私そろそろ帰るね。」
「うん、バイバイ!」
リナリーの部屋を出て自分の部屋に向かう。
ああどうしようすっごくすっごく緊張してきた。
だって明日の今ごろにはお返事出てるんだって考えると…。
あああだめ。今から考えてちゃってちゃ心臓が持たない!!
熱くなった頬に向かって手で扇ぎながら部屋に戻った。