第9章 第五話 幸せはそう長くは続かない
「ね、ね、アレン君になんて告白されたの??」リナリーがすごく興味津々に聞く。
「ふふ、いわなーい。」
「えーっ!何でよ、いいじゃない。恥ずかしがらないで?」
「別に恥ずかしいわけじゃないよ。」
リナリーが、じゃあなんで教えてくれないの?と言わんばかりの顔で見てくる。
「だって、アレンさんが私にくれた言葉は私だけのものだもん。リナリーにはあげない。それに、誰かに言っちゃもったいない気がするし。」
「えーっ!もー、そんな風に言うってことはよっぽど嬉しかったんだね。」
「……うん。」
今でも思い出すだけで胸がじんわり温かくなって、すごく幸せな気持ちになる。
「とにかく、おめでとう。これからも仲良くね。」
と言って部屋を出たリナリー。
時計はもうすぐ7時を指す。
アレンさんを待たせるのは悪いから早めに行っちゃおう。
私は部屋を出て食堂へ向かった。
なんとか一人でも注文ができるようになり、料理を運んで席につく。
アレンさん、遅いなぁ。
もうとっくに7時は過ぎてる。
遅れるような人じゃないと思うんだけど………。
私は少し不安になり、アレンさんの部屋に様子を見に行こうとして席を立ったとき、アレンさんが急いで食堂に来てくれているのが見えた。
「す、すみません……。少し遅れてしまいました….。」
大量の料理を運んできたアレンさんが私の向かいの席に座った。
どうやらもう注文は済ませたみたいだ。