第8章 第四話 date
「あっ、えっ、その…したの名前で呼べばいいんですか…?」
ウォーカーさんの普段見せない顔に気を取られていて返事することを忘れていた。
ウォーカーさんがうん、と頷く。
えーっと…あ、アレンって、呼び捨て?
いやでも年上なのに呼び捨てしちゃ失礼かな。
うーん、アレン君?
リナリーとかぶっちゃうなぁー。
「あっ、じ、じゃあ、ア…アレンさん?」
こ…これは、思った以上に恥ずかしい…!!
何でだろう…!?
今私の顔真っ赤だ…。
頬が熱い。
………あれ、アレンさんからの反応がない。
下向いてる。
「あ、あの、私、なにか変でしたか…?」
私が聞くとアレンさんがゆっくりと顔をあげる。
「す、すいません…。その、思った以上に恥ずかしくて…。」
「な、なんでアレンさんまで恥ずかしがるんですか…。
アレンさんが呼んでほしいっていったのに…。」
「こ、こんなに恥ずかしいとは思いませんでした…。」
二人で顔を真っ赤にしながらしばらくの沈黙。
ちら、とアレンさんを見るとむこうもこっちをチラリと見ていてお互い目が合う。
その拍子に二人ともぶはっと笑いだしてしまう。
それから短い時間だったが列車の中で他愛もない話をしていた。
「あ、ニナ着きましたよ。ホームは、もうすぐです。」
「はいっ!」
ホームという言葉が、私の顔を綻ばせた。