第8章 第四話 date
「えっ、やっ、だ、大丈夫です!!あの、珍しい色だなぁ~と思って見てましたので……。」
はは…、と(きっとひきつっているであろう)笑顔でごまかす。
「え、でも、そんな高くなさそうですし……。」
「ほ、ほんと、大丈夫です!!え~っと……あ!ウォーカーさん!そろそろ切符買って来ないと……!私買って来ますねっ!!」
と、その場からダッシュで逃げ出す。
「はぁっ…、はぁっ…。お、思わず逃げてきちゃった……。」
駅につき、息を整える。
あのままあそこにいたら絶対ウォーカーさん買ってくれてた……。
私ウォーカーさんに何もしてあげれてないのに、私ばっかり何かしてもらって…、申し訳なさすぎる。
あの髪飾り、欲しかったなぁ……。
ぼんやりそんなことを考えながら切符を買いに行った。
「すみません。」
「お?さっき妹に逃げられてた白髪の兄さんじゃねーか。どうしたんだよ。」
「あ、あの子妹じゃないです…。彼女なんです。それで……。」
「え!彼女に逃げられちまったのかい!?あっちゃ~!兄さん一体何したんだよ!」
「い、いや逃げられたわけじゃないです……。それよりこれ、ください。」
「お、この黄色いリボンかい?」
「はい。」
「じや、(日本円で)450円な。」
「えーと…、はい。」
「450円、確かにいただいたぜ。ほら。」
「ありがとうございます。では…。」
「彼女にあげるのか?」
「あ、はい。さっき欲しそうな目で見てたので…。」
「大事にしてやれよ。」
「はい。ありがとうございました。」