第8章 第四話 date
繋いだ手から、じんじんとウォーカーさんの鼓動、体温、気持ち……いろんなものが伝わってくる。
それがなんだか手を繋げたこと以上に嬉しくて、ウォーカーさんの手をぎゅ、と少し強く握った。
「どうしたんですか?」
「ううん、なんだか、嬉しくて、です。」
嬉しさで自然に笑顔になる。
それを見たウォーカーさんもまた笑顔になる。
「僕も嬉しいで……はっ!!ニナ!!見てください、あちらに美味しそうなサンドイッチが…!!」
ウォーカーさんの指差す方向を見ると
とても美味しそうなサンドイッチを売っているお店が見えた。
「えっ!?あっ、ほんとですね!!食べに行きましょう!!」
「はい!!」
二人で走りながらお店に向かう。
別にサンドイッチは逃げないのに私達は何を急いでるんだか、と内心笑いながら。
「はーっ。」
ウォーカーさんがにぎやかな街を歩きながら満足そうにため息を吐く。
「どれも美味しかったですね!」
「はい…!最初に食べたサンドイッチや、アイス、ホットドック…。他にも色々食べましたがどれもとても美味しかったです…!」
そう、私達はあのあとお店で売っている美味しそうな食べ物を片っ端から巡ったのだ。
「あ、そろそろ帰りますか?もうすぐ夕方になります。今出れば、教団に夕飯を食べるくらいのちょうどいい時間に着きますが……。」