第8章 第四話 date
「ニナ、そろそろ行きますが準備できましたか?」
「はいっ。バッチリです!」
と言ってニッと笑ってみせる。
「じゃあ、行きましょうか。」
「はい!」
二人で、4日ほどお世話になった部屋を出る。
結局あのあと私の怪我は3、4日程で治った。
まだ少し痛いところもあるが生活に支障をきたすわけじゃないし、大丈夫。
今日はいよいよ、ウォーカーさんとお祭りに行く日だ。
「晴れて良かったですね。」
「はい!お祭り日和って感じですね。」
少し肌寒いが、ひなたは太陽の光が当たって暖かい。
お祭りで賑やかな街並みを二人で歩く。
辺りを見渡すと、食べ物を売っているお店や服を売っているお店。色んなお店が出ていて、とてもワクワクする。
「お祭りというよりバザーみたいな感じですね。」
私がそう話しかけると、
「えっ?あ、は、はい。そうですね。」
なんだか少しぎこちない返事が返ってきた。
不思議に思い、首を傾げると
「あっ、その…。」
ウォーカーさんは少し顔を赤らめて下を向く。
?どうしたんだろう。私何かしたかな?
私が何かしたのか聞こうとすると、ウォーカーさんが
「手」
「…て?」
「手、繋いでくれませんか?」
今度は顔を赤らめながらもしっかりと私の方を向いて言ってくれた。
スッと差し出される右手。
珍しく手袋をしていない。
…もしかして、手袋越しじゃなくて直に手繋ぎたかったのかな?
そう思うとなんとも言えない嬉しさが込み上げてくる。
私はそっとウォーカーさんの手を握った。