【おそ松さん】松野✕松野おそ松~another story~
第2章 2人の松野 ~another story~
「まあまあ松野。とりあえず座れ。」
担任の先生は俺を座らせ、
「じゃあ男子の方は松野おそ松に任せることとして……後は女子だな。やりたいやつはいないかー?」
担任がその発言をしてからというもの、目を合わせない女子が増えた。
(何故だ。何故みんな、委員会の中でもトップクラスのリーダーみたいなことを率先してやりたがらないんだ)
俺は不思議に思っていた。そんな中、担任は、
「よし、じゃあダブル松野でやらないか?」
(えっ?)
担任の発言に俺は一瞬耳を疑った。
「えっ、私ですか?」
松野さんは慌てるように話していた。
(ここで慌てる意味が俺には分かんねーなー……)
「他に誰がいるんだ? だって他にやりたいやつなんていないしな……どうだ、松野くんの方は」
突然、担任は俺に話を振ってきた。そして、
「ん……いないならいいんじゃないんですかね。なんか楽しそうだし」
(ダブル松野……いいじゃん!)
ちょっと嬉しかった。ネーミングセンスが良いと思い。
「じゃあ他に異論とかないならそうするが……みんなはどう思う?」
クラスの生徒はまだ慣れない教室なのか無言のままであった。この場の空気を変えようと俺は、
「ほらほら、松野ちゃんでいい人は拍手しようよ。そっちの方が分かりやすいでしょ?」
と拍手を要求した。それにつられてか生徒のほとんどの人は拍手をし出した。拍手が鳴り止むと、俺は松野ちゃんの方へ行き握手を求める手を差し出し、
「じゃあよろしくね、松野ちゃん」
と一言伝えた。
「こちらこそ……」
と松野ちゃんは言ってから俺の手を握った。
(松野ちゃん……どんな人なのかやっぱ分かんねーけど、悪い人ではないよな)
こうして俺は松野ちゃんと学級委員をやることになった。