第16章 EP洛山1 洛山へ
だが、この際僕には関係ない。
「もしかして、イジメ。じゃないよね? 君たちみたいな可愛い女の子たちが」
僕は爽やかな笑顔で、そう尋ねる。
「ま、まさかぁ。」
「そうそう。この子が転んじゃって、心配してたんだよね~」
イジメっ子たちはあからさまな反応を示した。
「そうだよね。可愛い女の子は心も綺麗だし。それに・・・・・・」
と僕は言葉を切る。
「それに?」
「どんなに地味な子でも女の子は綺麗になれるんだよ? それは君たちにも言える。」
自分たちも綺麗になれる。と聞いて、イジメっ子たちは嬉しそうだ。
「だって、恋をしている女の子は皆綺麗だからね。」
ウィンクをしてみせれば、
「キャー♡」
という黄色い悲鳴に代わり。
「無神さんごめんなさいね。」
なんて小声で謝っている声が聞こえた。
謝ったからと言って、イジメたことが消えるわけではないし、イジメられた方にとっては消えない傷が残るんだけどね。
そんなこと思っていても、顔には出さないよ。
今の彼女たちからすれば、僕は多分"謎のイケメンくん。"だろうからね。