第3章 部活以外は1人になりたい
ワンコにスポーツドリンクを渡した後、大輝がスポーツドリンクを求めてやってきた。
「お疲れ様、大輝。きょうは頑張ってるね。」
「朝、お前に負けたからな。リベンジの為に頑張ってんだ。」
大輝はスポーツドリンクをグイッと飲んだ。
「今、休憩中だけどリベンジする?」
私は大輝に挑発気味に聞いてみた。
「いいのか?」
大輝は目を輝かせて近くにあるボールをドリブルし始める。
「先に1点取ったら勝ちね。」
私は大輝がドリブルしているボールに向かって走り、指先でボールを掴む。
私はボールを手のひらに転がして、3mほど離れた所からボールを放った。
ボールは空中に円を描き、吸い込まれるようにゴールに入った。
「私の勝ち。」
大輝は私の顔を見て微笑した。
「なんで笑ったの?」
「昼のお前と全然違うから、おもしれぇ。」
大輝はポンと私の頭に手を置いて、練習に戻って行った。
「遥ちゃん、凄いね!大ちゃんにバスケで勝つなんて!」
桃色の髪の女の子がそこにいた。
「えっと…貴方は?」
「私は、桃井さつき。よろしくね。」
桃井さんと握手を交わした。
「よろしく、桃井さん。」
「桃井さんじゃなくてさつきでいいよ?」
「じゃあ、さつきよろしくね?」
私達は友達になった。女の子の友達は初めてでとても嬉しかった反面、自分で自分を苦しめていると感じた。