第3章 ひと言の勇気 _後篇_
「校長先生、俺の辞表
保留にしててくれたみたいで
なんとか、このまま続けれそうです。」
「それはよかったですね。」
数日後
開店前の店に足を運び
波留さんに報告をする。
「でも、圭人が常連だなんて…。」
「世間は狭いものですね。」
コップを拭きながら
こっちを見て微笑む。
「翔さんは、
いい生徒さんを持ちましたね。」
「はい!
あ、そろそろ時間何で行きますね。
新しい映画のDVD探しに行かないと。
和也さんによろしくお伝えください。」
そう言って立ち上がると
お店の扉が開く音がした。
「あぁ、久しぶりだね!!」
いつもの駅長の格好をした
相葉さんだった。
「そうだ。
翔さん、相葉さん。
少しお願いがあるんだけど
いいかな?」
波留さんは
全てのコップを片づけ終わると
カウンターを出て
俺と相葉さんの前に立った。
「波留ちゃんがお願いなんて
珍しいこともあるんだね。」
相葉さんがもの珍しそうに
微笑んで帽子を外した。
「どうしたんですか?
助けてもらったんですから
なんでも聞きますよ。」
「あのね____。」
_ひと言の勇気 END_