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【デュラララ】歪んだ愛の短い物語。

第2章 Trichophilia #竜ヶ峰帝人


翌日

正臣「お前のクラスの数学の先生、南先生だろ?いーなー」

南先生、茶髪のショートカットで、スタイルの良い美人な先生。

帝人「そうかな?」

正臣「あぁ、男の憧れだぜ?」

正臣の答えに、少し苦笑いで返してしまう。

確かに、南先生は美人でモデルみたいだけれど、あまり好みじゃない。
主に髪的に

帝人「正臣、もう授業はじまるよ」

正臣はゆったりとした動作で時計を振り返ったが、時間を確認して弾かれたように走り出した。

正臣「わり、次鬼の村田なんだ。また後でな!」

正臣は大きく手を振り、急いで教室に戻っていく。
それと入れ違いになるように先生が入ってきた。

『みんな、席についてー』

確かに先生は南先生と比べ美人とはいえない先生かもしれない。

けれど。

教卓の前に立つ女性の髪は黒く、真っ直ぐで美しい。

あぁ、あの髪を一房。いや、一本でも良い。

帝人「欲しい」

その声に気づいたのか、隣の子が怪訝そうに僕を見た。

帝人「ごめん、何でもないよ」

その子は特に何か言うわけでもなく、ノートを取る作業に戻った。



授業が終わり、僕は決行する事にした。

帝人「先生」

後ろから呼びかけると、先生は振り向いた。
髪がそれにあわせ空気を孕んで揺れた。

『確か君は…りゅ…』

帝人「竜ヶ峰です」

そう言うと、先生は首を大きく縦に振り納得したようだ。

『そうそう!』

その時に、耳にかけていた一房の髪が肩に落ちた。

『どうしました?』

帝人「さっきの授業で質問が」

僕はそう言って、先生の隣に肩を付けるように立った。

髪が揺れ、僕の鼻孔を擽る。
僕は鋏を取って、後ろから見つからないように先生の髪を切った。

大丈夫。先生は気付いてなどいない。

帝人「ありがとうございました」

『いいのいいの、勉強頑張ってね』

歩き出した先生の後ろ姿を眺めながら、僕は手に握られた先生の二本の髪をしまった。
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