第12章 接
青い顔して俯いた朱里ちゃんを部屋に招き入れて。
ソファまで誘導する。
座るように促してから、台所に向かう。
お茶の用意をする新八に声を掛けると、
「朱里さん、大丈夫なんですよね?」
こっちも青い顔してやがる。
「沖田さんと何かあったのかな…」
「何もねェよ」
「だって、何かいつもと違いませんか?」
「かも、しれねェな」
「何でアンタそんなに落ち着いて、」
「悪ィな、新八……席、外してもらえるか?」
以前もあったな、こんなやり取り。
俺はあのとき、頭に血が上ってて。
「帰れ」と強い口調で言っちまった。
でも、今日は。
そんな気にならない。
あんな顔見せられたら。
どう守ってやれば救えるのか。
そっちに意識が集中する。
救うなんて、おこがましいのか。
俺が救われたいのか。
どっちでも構わねェ。
「後は銀さんに任せます」
新八は湯呑みを乗せた盆を手渡して。
「朱里さんの湯呑み、新調しましたから」
そう言ってから、頭を下げた。
「朱里さんをお願いします……銀さん次第ですからね」
責任重大じゃねーか、オイ。