第9章 秘
この関係になってから。
ちょくちょく遊びに来るようになったキミは。
俺との関係を割り切って。
抱き枕的存在として。
上手く捕らえている、と思う。
でも。
銀さんは男の子で。
男は皆、オオカミだからね。
そこんとこ、忘れないよーに。
新八も神楽も、定春も居ない日に。
普通に遊びに来るなんて。
以ての外です。
それなのに。
何なのお前は。
毎回毎回、何故か後ろから抱きつかれては。
泣きたくなるような敗北感を与えられ。
背中に柔らかいモノが触れては。
抱き枕である自分を不憫に思う。
俺の気持ちを、少しは察しろ。
女と寝て泣きそうになったのは初めてだ。
沖田くんに、こんなんするつもりだったの?
土方くんに、こんなんするつもりだったの?
そんなん、銀さん許さないからね。
脇が酸っぱくなるくらい言うけど。
男は皆、オオカミだからね。
羊の顔して、牙を剥くからね。
この人だけは大丈夫なんて。
うっかり信じないよーに。
銀さんも、白いモジャモジャだけど。
牙を隠してるから。
羊なんて、可愛いモノじゃねーよ。
属性は、ケダモノだ。