第8章 再
ポトリと落ちた、フワフワしたモノ。
アレは何だろう?
銀さんの懐から出た、ヒラヒラしたモノ。
アレは何だァァァ!?
「言いてェことがあんなら、早く言え」
テーブルの真ん中にフワフワしたモノを置いて。
僕と銀さんは、向かい合って座っている。
朱里さんと神楽ちゃんは、少し前に定春の散歩に出掛けて留守だ。
「……」
「………」
「…………」
「ぱっつぁん、如何わしいこと考えてんの?」
「そんなこと、僕ァしてませんよ」
「じゃあ、何だ?パンツがどーした、あ?」
「…何でそんな所から出てくるんですか?!」
「いらねェっつーからよ?俺が持っててナニが悪ィんだよ」
「公衆の面前だったら、マズイでしょーがァァァ」
「いーじゃねェか、家の中だろ」
「よくねェェェ」
「うるせェなぁ。欲しいならやるよ」
「………え?」
「俺のパンツのが好きだって言うから、それ、いらねェし」
「は?」
「あの娘はね、俺のパンツがお気に入りなワケ」
何故かしたり顔の銀さんに見下ろされ。
僕はテーブルの上の、フワフワの物体を見つめる。
「お前、姉ちゃんのパンツくれェ見たことあんだろ?もっと際どいパンツだってあんだろ?こーいう可愛いの、初めて見たワケ?お前はどんだけチェリーなんだ、オイ」
どんだけ馬鹿にしてんだ。
チェリーの何が悪いんだ。
僕が気になるのは、パンツの入手先と。
今も朱里さんに男物のパンツ履かせてる、あんたのドSっぷりだよ。
「パンツはランジェリーショップで買った。俺のS心は、今回の事件と関係ねェからな」
人の心、読むなァァァ!