第7章 眠
俺が作った特製オムライスを。
美味そうに食べて。
お礼と言って、皿洗いやらの片付けをして。
締め括りに、今日のニュースを見て。
買ってきた新品の歯ブラシで歯を磨き。
寝るための支度を整えたら。
そっちの準備は完了ですか?
俺が汗を流し終えたら。
おねむの時間だ。
「パンツ、履き替えたか?」
せっかく銀さんが選んできたんだ。
どうせ、見えないんだからさァ。
あのフリフリのパンツ、履けばいいのに。
「……このままでいいです」
寝間着の下。
俺の新品のトランクスじゃねーか。
ピンクのいちご柄。
俺のパンツも、可愛いけどね。
女のコがトランクスなんて。
股下、スースーしねェか?
「マジでか」
「……?」
「ナンデモナイデス」
そうですよねェ。
抱き枕に、意見する権利なんてありませんよねェ。
フリフリはお気に召さない?
似合うと思って買ったけど。
もっと、セクシーなのが好みだった?
「俺もシャワー浴びてくるから、先に横になってろ」
冷静を装って。
昼間の汗を流す。
俺、ちゃんと演じられるかな。
『抱き枕:坂田銀時』
エンドロールに、名前載るかな。
俺だけドキドキして。
中2男子、炸裂してんだけど。
あっちは、特に緊張した様子もなく。
ソファの上で、体育座りを決め込んでやがる。
俺が気にしすぎ?
それとも、あの娘が動じなさすぎ?