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糖分過剰摂取症候群【銀魂】

第5章 香


僕等は暫く、テーブルの上の弐萬円を眺めていた。
銀さんの布団は、当初の設定金額よりも。
壱萬円も高い買値が付いて。
でも、それを素直に喜べない。
「…何だか、悪いことしちゃいましたね」
帰る間際、朱里さんは言った。

「家に帰るのが、好きになれそうです」

僕等は、布団をあげることで。
朱里さんが喜んでくれると決めつけて。
彼女がここで眠ること。
彼女が万事屋に来ることを。
拒絶してしまったんじゃないだろうか。
最後に。
「ありがとう。布団大事にします」
そう言って笑った朱里さんは。
振り返ることなく、夜のかぶき町に消えて行った。

「てめェ等、コレ、返してこい」

途中から無言だった銀さんが口を開いたのは。
朱里さんが万事屋を出て、暫く経ってからだった。
受け取った弐萬円を、そのまま僕に渡して。
「たまには顔出すように伝えとけ」
そう言って立ち上がる。
「銀さんは何処に行くんですか?」
僕の問い掛けが聞こえないフリをして。

「俺ァ、ちょっと出掛けるから。ちゃんと戸締まりして寝ろよ、神楽ァ」

そう言って、家を出て行った。
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