• テキストサイズ

糖分過剰摂取症候群【銀魂】

第31章 眼


悪い予感は的中。
襖の先の、布団の上は。
俺の着物と、枕に頭を乗せた黒猫。
目を細めて、「にゃー」と鳴いた。

正体が知れただけ、良かったのか。

俺は、落とした肩を正して。
猫を呼ぶ。
面倒臭そうに立ち上がって。
猫の演技をしたまま、近寄ってくる。

「朱里ちゃん、おかえり」

俺の前で座った猫を抱き上げて。
頭を撫でてやった。

「ちゃんと、俺のとこに帰ってきたんだな」

ゴロゴロ喉を鳴らして、俺の手を嫌がることなくすり寄ってくる。
俺の言葉は、ちゃんと伝わってるみてーだ。

「お利口な朱里ちゃんには、銀さんのチューを、」

そこまで言ったら、猫パンチが飛んできた。
え、何、嫌ってこと?

「久々で照れてんの?」

それとも何だ?
やっぱり普通の猫ってこと?

「朱里ちゃん」

「にゃー」

「俺の言ってること、解るか?」

「にゃー」

「猫だけど、朱里ちゃん?」

「にゃー」

「…………戻るまで、お前は家の子な」

「にゃー」

言葉が本当に通じてるかなんて。
正直、判らない。
でも、甘えるように、俺の口元を舐めたから。
やっぱり、この猫は朱里ちゃんで。

真選組に渡すなんて、真っ平御免被るわ。

/ 249ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp