第28章 常
「銀ちゃん、朱里のお肌、超白いアル!おっぱいデカいアル!」
ムガモゴと、神楽の声が遮られて。
小声でゴニョゴニョと、説教らしき声が聞こえる。
無言の新八は鼻血を垂らし。
たぶん、髪を洗いながら、如何わしいことを考えてる。
「……知ってるわ、んなこと」
散々抱いた。
白い肌も、あの傷跡も。
胸の大きさも、弱い箇所も。
まだ開発し足りないって。
そう思ってんのに。
「ずりーぞ、神楽。俺、まだ一緒に風呂入ったことねーんだから」
「羨ましいアルか、銀ちゃん」
「羨ましいわ!壁登って、そっち行くわ」
泡にまみれた髪を流して。
腰にタオルを巻く。
「ちょっくら、行ってくるんで」
「何考えてんですか、銀さん」
「うるせェ、童貞」
「確かに童貞だけども。僕は唯一の常識人です」
新八に腕を掴まれ。
警察沙汰は避けたいと懇願される。
イヤ、警察の人を見に行きたいんですけど?
「ハァ、どうやったら成長するアルか?ちっとも大きくならないアル」
「えーと……」
イイネ、女子トーク。
他に客が居ないから、もっと大きい声でお願いします。
「揉むと大きくなるアルか?」
「そうなの?」
「銀ちゃんのおかげで、大きくなったワケじゃないアルな」
元々、その大きさもだったけど。
今の言い方、傷付くわ。