第3章 食
僕も、神楽ちゃんも。
銀さんには感謝してるんです。
給料くれないし。
仕事もないし。
ちゃらんぽらんなマダオだし。
銀さんの駄目なところを上げだしたら、朝まで語れる程なんですけど。
でも、万屋屋が大好きなんです。
僕らを守ってくれるから。
いつも味方でいてくれるから。
安心できるんです。
あのとき遭えたこと、僕は偶然を装った必然だと思ってます。
絶対に、言いませんけど。
だって、感謝の気持ちより。
恨みつらみのが多いですから。
何より、付け上がりますもんね。
身長は、勝てる気がしないので我慢してますけど。
そんなこと言おうものなら。
ドS顔で、見下ろしますもんね。
口でなんだかんだ文句言いながら。
僕らを手放さない。
強さと弱さを兼ね備えて。
僕と神楽ちゃんの側に居てくれる。
反面教師ではあるけれど。
僕も神楽ちゃんも、銀さんが大好きなんです。
でもね。
何でも拾ってくるのはやめましょうよ。
定春みたいに、捨てられてたんですか?
以前、アンタにそっくりな赤ん坊も拾ってきましたよね?
困ってる人を放っておけないのは解ります。
報酬が無くても、身体が動いてしまう。
そこがアンタの良いところです。
ただね、万年金欠なわけでしょう?
最初に戻りますけど、給料未払いでしょう?
「ある意味、見境なしですね」