第3章 食
玄関のチャイムが鳴って。
遅めの朝が始まる。
「おはようございまーす」
新八の大きな声が聞こえて。
足音が近くなる。
「何で猫に卵かけご飯んんんんん!?」
一番初めの突っ込みがそれか、ぱっつぁん。
だから、お前は新一じゃなくて新八なんだ。
「何で猫がいるんですか?」
そうだよ。
それだよ、新八くん。
先ずはそこから聞いて欲しかった。
「養っていけないのに、拾ってくるのはやめてくださいよ」
決めつけるなァァァ。
銀さんだって、猫の一匹や二匹育てられます!
光源氏の如く、立派に育て上げますぅ!
「何で世話しないのに連れてくるんですか…自分の世話だってしないのに。仕事だってないのに。冷蔵庫からっぽなのに。明日が見えないのに………」
泣きたくなるから、やめてくんない?
卵3個、まだ入ってるから。
神楽が買い物当番サボったのに。
全部俺が悪いみたいになってんじゃん。
お前がメガネなのも、俺のせいみたいになってんじゃん。
猫拾ったことは、そこに直結してねェだろーが。
「自分で面倒見てくださいよ」
呆れた口調の新八は、俺と猫を交互に見て。
「あんたって人は本当に…」