第27章 倣
俺と新八が、買い物担当。
料理は朱里ちゃん。
神楽は、定春の散歩を。
それぞれが請け負い、忙しない夕方になった。
「お腹いっぱい、唐揚げが食べたいアル」
朱里ちゃんに主張する神楽。
普通の量じゃ、足りないからね。
そいつの胃袋、四次元ポケット並の容量あるよ?
「僕は、茶碗蒸しかな」
オイオイ。
全然違う方向に行ってんだけど?
何で茶碗蒸し?
お前の姉貴、卵料理得意だろ。
作ってもらえ。
「坂田さんは?」
二人の意見を聞いてから、俺を見上げる。
嬉しそうだけど、作るの朱里ちゃんだよ?
「俺?味噌汁」
俺の回答に、笑顔を見せて。
「約束、でしたね」
そう言って目を伏せた。
「何ですか?約束って」
「二人だけ、ズルいアル。私たちにも教えるネ」
やっぱり、この状況で独り占めは無理じゃね?
こいつら、気を利かせるとか無理だろ?
「二人で飲んだの。味噌汁」
「何でアルか?いつ飲んだアルか?」
「あーもー、少し黙ってなさい」
「だって、知りたいネ。私がそよちゃんと遊んでる間に、二人が仲良くなってたアル」
「神楽ちゃーん?」
「だって、銀ちゃん。私、邪魔者になっちゃうヨ」
「ならねェから、心配すんな」
「本当にいいアルか?」
「いいから。邪魔な日は言うから」
「マジでか」
そりゃ、言うわ。
お前が居る日にエッチするなんて。
できれば御免被りたい。