第27章 倣
「認めてますよ、僕ら」
「朱里なら安心ネ」
ゆっくりと顔を上げた朱里ちゃんに。
「よろしくお願いします、銀さんのこと」
二人は満面の笑みで、頭を下げた。
ちょっと涙目の朱里ちゃん。
俺は無意識に手を伸ばして、頭を撫でる。
「誰がイチャイチャしろって言った?腐れ天パ、あ?」
「ちょっとは遠慮してもらえます?」
さっきまでの歓迎ムードは何処へやら。
辛辣な言葉を発して、俺を見下ろす二人。
「コレも、イチャイチャ?」
大きく頷いて、冷めた視線を向けられて。
「何か、すいませんでした」
膝に手を置いて、頭を下げる。
俺、可哀想じゃね?
「今日は、銀ちゃんの奢りで、美味しいもの食べるアル!」
やっぱり、俺、可哀想じゃね?
「朱里さん、何か食べたいものはありますか?」
俺のことはお構い無しに、今日の夕飯を決める様子が。
自然な感じで、嬉しくなる俺も大概だ。
「皆さんが食べたいものを、私が作ります。坂田さんは、何がいいですか?」
「朱里ちゃんの手料理なら、何でも」
「新八くんと、神楽ちゃんは?」
「お腹いっぱいになるものがいいネ」
「うん、確かに」
普段のレパートリーが少ないからな、俺達。
ちょっと、各々、意見を纏める時間が必要ですね。
朱里ちゃん、暫しお待ちを。