第27章 倣
「もう大人の関係アルか?」
何をサラリと言ってくれてんだ、神楽。
お前の言う、大人の関係って何?
雌しべと雄しべがくっついて、ってアレ?
そんなん、ガキが言っちゃ駄目でしょーがァァァ。
「銀ちゃん、顔が赤いネ」
改まって言われると、照れ臭いというか。
思い出しちゃうというか。
そりゃ、顔も赤くなるわ。
「朱里、銀ちゃんのどこが気に入ったアルか?こんなマダオでいいアルか?モジャモジャの遺伝子継承した子どもが生まれるヨ。私、心配ネ。本当に、後悔しないアルか?」
「あの、傷付くんだけど?」
「考え直して返品したいって言っても、遅いネ。銀ちゃん慰めるの、面倒ヨ。構ってオーラ全開にされても迷惑アル。本当に、銀ちゃんでいいアルか?本当に、銀ちゃんが好きアルか?」
「ちょ、止めて、神楽ちゃん。悲しくなるから止めてェェェ」
勢い付いて、テーブルに乗り出した神楽。
その横で、驚いた表情の新八。
俺は三人各々の顔を見て、小さく息を飲む。
「離れたくないのは、私なの。坂田さんと一緒に居たいのは、私の方」
朱里ちゃんは、一度、俺に視線を向けて。
柔らかく笑んでから、神楽を見つめて。
「坂田さんとのお付き合い、認めてください」
そう言って、二人に頭を下げた。
イヤ、そいつら保護者じゃないし。