第22章 誘
「何で謝んの?」
いっそのこと、好きにしていいのに。
不安とか、その他諸々が。
俺のカラダ一つで吹っ飛ぶなら、安いモノだ。
恥ずかしいなんて、今更言うなら。
何で昨夜の俺の、真似事したの?
甘噛みして。
舐めて。
吸い付いて。
俺の首筋に、紅い痕つけて。
突然、我に返って。
お腹いっぱいみたいな、顔してるけど。
こっちは、中途半端で。
消化不良、起こしてるよ?
視線をずらせば、寝間着から胸の谷間が見えて。
その気になるまで、そう時間は掛からない。
褒美をくれと、ねだったのは朱里ちゃん。
今日はしないと、拒んだのは俺。
最終的に、欲しがってるのは俺の方だ。
折角、風呂入ったけど。
折角、寝間着を着たけど。
御免。
我慢できねェ。
湿った肌と、濡れた髪。
そのままでいいから。
そのまま抱きたい。
あんだけしたのに。
全然足りてない。
「ご褒美、ください」
ただ寄り添って眠るつもりが。
結局、素肌の戯れになって。
触れてしまえば、ブレーキなんて。
効くわけがないのに。
「もっと」
そう言われてしまえば。
散々啼かせて。
また無理させて。
明日は抱けないからって。
それが理由と。
こじつけて。
洗い立てのシーツを汚す。
「いっぱいするから、覚悟しとけ」
この一回で終わるなんて。
先に忠告したから、思ってないだろうけど。
昨日の今日でも。
俺は飢えたケダモノのまま。
どちらかの限界まで、食らい尽くす。