第22章 誘
「一緒がいいの?」
「一緒がいいです」
朱里ちゃん、どんだけ俺のこと好きなの?
流石の銀さんも、ポーカーフェイスじゃいられない。
「また、しちゃうよ?」
「して、ください」
イヤイヤイヤ、そこは断ってもいいところだね。
断られたら、傷付くけれども。
銀さんだって、無理させたって自覚は、あるんだから。
無理なら無理って、言っていいから。
「手加減、しねェよ?」
「手加減なんて、いらない」
オイオイ、全然退かないけど。
どうすんの、コレ。
そりゃ、抱きたいよ?
存分に抱きたいけれども。
「あーもー、駄目でしょーが。今日はしないって決心が鈍っちまう」
頭を掻きながら、立ち上がって。
潤んだ目をした朱里ちゃんに視線を合わせる。
「今日は、一緒に寝るだけな?」
濡れた髪を撫でて、疚しい気持ちを誤魔化して笑えば。
「……ご褒美、ください」
そう言いながら、服の襟を掴まれて。
ゆっくりと、誘うように唇が近づく。
深く重なって、離れては角度を変えて。
「ちょ、タンマ。俺、風呂入ってないから、」
言い訳無用とでも、言わんばかりに。
和室の入り口から、布団まで追い詰められて。
お強請りの次は。
誘い上手に、なるつもり?