第20章 姿
「坂田さんの馬鹿……」
散々善がった後の、その言葉。
何て言うか……それ、褒め言葉?
もう、馬鹿みたいに狂おしくて。
況してや、其れなりの体力と持久力。
負けず嫌いな性も。
お互いが持ってるもんだから。
「嫌いになっちゃった?」
気怠げな背中を抱いてみる。
「ううん…」
腰に回した手に、掌を重ねて。
「意地悪な坂田さんも、好き」
その口は、誘ってんの?
どんな俺でも受け入れて。
どんな俺でも『好き』って言う。
まぁ、俺も。
どんな朱里ちゃんでも、受け入れるけど。
恋仲になって。
我慢するって言っておいて。
欲しがるように仕向けて、抱いた。
初めての躰に無理させて。
「カラダ、辛い?」
「ちょっと、怠くて……腰、痛い、です」
だよね。
あんだけしたら、そうなるよね。
「痛くなかった?」
「………はい」
何、今の間。
本当は、痛かったんじゃね?
「……気持ち、良かった」
腰に回した手に力を込めて。
躰を更に密着させる。
……ちょっとお尻に堅いの当たっても許して。
その言葉に、反応しちゃっただけだから。
「もっと欲しがってね、俺のこと」
脳天に、軽く口付けて。
甘やかしたいんだか、乱れさせたいんだか。
まぜこぜの感情を、持て余して。
コレが俗に言う、ピロートークって奴かと。