第2章 住
「地球は自由の星ネ」
前に、神楽が言ってた。
俺はその自由とやらに生かされて、今、此処にいる。
できることなら、この星で。
俺の世界を全うして、息絶えたい。
前に朱里ちゃん言ってたな。
「ここが好き」って。
「ここが帰る場所」だって。
だから、いつでも空けてあるよ?
俺の胸は『朱里ちゃんの特等席』だもんな。
誰にも譲らねェ。
「私が先に逝くときは、最期を看取ってね」
あのときは、縁起でもねェこと言うなと叱った。
行く時も、イク時も、逝く時も、ふたり一緒だと。
銀さんは、この手を離さないって。
そう言ったはずなのに。
朱里ちゃんは、クスクスと肩を揺らして笑って。
俺の目を真っ直ぐに見て。
至極真面目な顔で。
「貴方の最期は、私が」