• テキストサイズ

糖分過剰摂取症候群【銀魂】

第18章 欲


「鼻噛んだら痛いでしょーが。つーか、何で鼻?」

クスクスと聞こえる笑い声。
俺は鼻の頭を擦りながら、空いた手で朱里ちゃんの鼻を摘まんだ。

「だって、」

「だって、何?」

「坂田さん、余裕綽々、だから」

そう見えてる?
さっき、銀さん焦ってたよ?
そのまま朱里ちゃんに、食べられちゃうんじゃないかって。

「今後、鼻は駄目だからな」

「……はい」

「……余裕なんてねェよ。あんなことされたら、銀さんだって、ドキドキするし。力業、使いたくねェだけ」

「ごめんらひゃい」

素直に謝ったから、摘まんだ鼻を開放してやる。
ちょっと赤くなってるけど、そこは勘弁な。

「まぁ、いっぱいチューしたし?俺は得したけど?」

「………」

「朱里ちゃんは?」

「………」

「素直に言ってみ?」

今更、そんな顔すんな。
狡ィじゃねーか。
いつも誘うだけ誘って。
誘っておいて、顔、紅くして。
恥じらって、止めて。

「……もっと」

なのに、今日は。
あの夜みたいに、蕩けた顔で。

「欲しい」

可愛くおねだりできちゃうんだ。
オムライスより、欲しいって。
食べたいって言うんだ。
焦らして、意地悪したいけど。
コレは無理だわ。
こっちが堪えられないわ。

「朱里ちゃんからしてくれるなら、好きなだけやるよ」

それでも、素直に差し出さないのは。
その言葉の意味を、実感したいから。
さっきみたいに軽く触れるだけじゃ、物足りない。
吐息も言葉も飲み込むみたいな。

長くて甘いヤツを頼むわ。

/ 249ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp