第2章 出会い
「王女の10歳の誕生日。
広間でパーティがありましたよね」
「ええ」
「王女はダンスをしましたね?」
「…ええ」
なぜ主役が踊るのか疑問だったね。
「その相手は誰でしたか?」
「…ハビル様、だったと」
「惜しい!」
ラビルは膝を打った。
「その年だけは、私だったんです。
兄は馬から落ちて足を折りまして」
「…そうですか」
「仕方ありませんね。ずっと相手は兄、ハビル
だったのですから」
「…何が言いたいのですか」
「私は、ずっとあなたを待っていた」
うわ、何こいつ…。
気持ち悪…。
自分に酔ってるよ。
「あなたに、もう一度会いたかった」
「…そうですか」
しらねぇよ。