第2章 出会い
でも父の命令にはやはり逆らえず、
彼に送ってもらうことになった。
「王女」
「はい」
「お稽古は、嘘ですね?」
「何を。本当ですよ」
「今日の槍の稽古はもう終わったはずですよ」
「馬鹿なこと言わないでください。私は…」
「あなたの槍の師は私の父ですよ?」
…そうだった。
大将軍の息子なんだった。
「はぁ…。そう。終わりましたよ」
「どうして逃げるのですか?」
「逃げる?私が?何から」
「お父上から」
ああ。
苦手なタイプだ。
「父から?どうして私が」
「私との結婚が嫌なのですかね?」
なんで当てるかなこいつは。
「そんなことは…」
「なら、この距離はなんですか?」
ラビルは手で私の体と自分の体との距離を
示してみせた。
「初対面ですから」
「ほう。初対面」
「…ですから新年の宴のことは」
「違いますよ。私と、王女は、その前から
会っているでしょう?」
「はぁ?」
身に覚えがないぞ?