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好きなだけじゃダメなのか

第6章 襲撃


ハンスが王太子に据えられ、私に対する
風当たりはさらに強くなった。

「…姫」
「いいのよ」
「でも…」
「私がいいって言ってるの」

侍女や侍従、護衛兵たちの目線も冷たい。

「これからは大将軍屋敷でお過ごしなされませ」
「どうして?」
「王宮にいては、何が起こるかわかりません」
「……どうしましょう」
「ラビルが嫌なら別邸でもいい。
姫のご安全を守るのが【王の盾】の任務で
ございます故」
「それじゃあ、そうさせて頂くわ」
「父にはもう伝えております。
荷物はいかがなされますか?」
「いらない」
「わかりました。寝台などは全て新調致します」
「ごめんなさい…」
「まさか。私が姫と一緒にいたいだけで…」
「ハビル様は別邸にいるの?」
「いえ、本邸に」
「そう」
「でも、今日からは別邸ですね」
「ふふふ」

ほんの少しでもいいから、どうか誰も
この時間を邪魔しないで。
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