第2章 出会い
そこからもラビルは延々と話し続けた。
つまらなかった。
「はぁ…」
部屋について、重い靴を脱ぐ。
王女の印だとかなんだとかの、
薔薇の模様が刻まれたガラスの靴。
「ラビル様…ねぇ」
確かに美男子だった。
ハビル様よりずっと美しかった。
でも、私が幼い頃から教えられてきた
“将来の旦那様”はハビル様であって、
ラビルではなかった。
ハビル様もそう思っていただろう。
「はぁ…」
この先のことを考えるだけで気が滅入った。
あんな男の嫁になるなんて御免だ。
王女の位をこれほどまでに恨んだことはない。
「…出て行こう」
今度は猟師が履くような、山向けの靴を履いて
私は窓から飛び降りた。