• テキストサイズ

好きなだけじゃダメなのか

第3章 秘密


レイと別れ、悶々と回廊を歩く。
そのとき、前から見慣れた人影が。

「…姫」
「…ハビル様」
「お久しぶりです」
「…お久しぶりです」
「お元気でしたか?」
「ええ、とても」
「この度は申し訳ございません。
私の勝手な恋心が…」
「いえ…」
「弟のラビルは私とは違い、
顔も美しいです。きっと、
姫の人生のよきパートナーと…」
「なれません。あの人には」
「え?」

鳩が豆鉄砲食らったような顔って、
こんな顔かしら…なんて思う。

「私、ラビル様と結婚するつもりは
ありませんから」
「え、姫、どういう…」
「あんな人と結ばれるくらいなら、
一生独身でいいです」
「…ぐ、愚弟が何か、姫に
ご無礼でも働いたのでしょうか!
だとしたら、ラビルめ…!」
「無礼なのはあなたもです。
勝手に婚約破棄しやがって。
私、仮にも王女ですよ?」
「申し訳ございません!!」
「はぁ…」

あれ?
なんで?
今、頭に浮かんだ顔…。

レオン王子だ。

「ハビル様」
「はい!」
「一つだけ、お願いがあります。
それを叶えてくれるのならば、
此度のことはなかったことに」
「…姫。何を企んでらっしゃる?」

ハビルは脳筋と言えども年上で、賢い。
私の企みなどすぐにバレるだろう。
ここは、いっそのこと使うか…?

「隣国の王子のことで、少しね」
/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp