第2章 出会い
「ふぅ…」
向かったのは、街が見下ろせる山。
王宮の真向かいにあって、山と王宮で
街を挟む形で位置している。
「やっぱ涼しい」
そこそこの高度があるため、王宮より
涼しいのだ。
「バレたら、ユラに怒られるなぁ」
教育係の侍女の顔を思い出して苦笑い。
そのとき。
「危ない!」
「え…っ!」
突如響いたのは、銃声。
しかも、この音は、猟銃…?
「大丈夫か?!」
私の後ろから狩り用の服を着た男が
走ってきた。
「弾は当たってないか?」
「ええ…」
「よかった。熊狩りをしていたんだけど
つい夢中になりすぎてしまって」
申し訳なさそうに頭を掻く男。
どこかで見たことがある。
「本当に大丈夫か?」
「はい」
「そうか、よかった」
「…どちら様ですか?」
「え?」
素っ頓狂な声を上げる男。
やっぱりどこかで…。