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プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第1章 誠凜高校入学


一通りの自己紹介を終わらせると、リコ先輩は先程から持ち歩いていたバインダーを私に手渡した。
挟まれている用紙を見れば、1人一枚づつ、細かい表になっていて個々の身体能力を書き込めるようになっていた。

「……じゃぁ、まずは──シャツを脱げ!!」

「「「え゙え゙え゙~!!?何で!?」」」 

『カントク命令は絶対です。ジャージ配布の為、服のサイズも確認したいので…ツベコベ言わず脱いで下さい。』

シャツを脱いだ後も納得できていない1年生達。
その前を“カントク”がゆっくり歩くと、一人一人の身長や体重、パワーやスピード、柔軟性等、肉体の数値を呟いていく。
私はその呟き通り用紙に記録を記入し、データを作り上げていく。

「キミ、ちょっと瞬発力弱いね。反復横飛び50回/28secぐらいでしょ?バスケやるなら、もうチョイほしいかな。」
「──キミは、体カタイ。フロ上がりに柔軟して!」
「──キミは……」

個々にアドバイスをしていく先輩。
次第に不審がっていた人も的確すぎる言葉に「マジ…!?合ってる…」「体を見ただけで?」と、驚いていた。


「──彼女の父親はスポーツトレーナーなんだよ。」


1年の疑問に答えをくれたのは、主将の日向先輩だ。

「データをとってトレーニングメニューを作る。毎日その仕事場で、肉体とデータを見続けている内についた特技。体格を見れば、彼女の眼には身体能力が全てが、数値で見えるんだ。」

『後の個人練習メニューを作る過程でも強みになりますし、目に見えて成長していることが解るように数値として記録ができるなんて凄いです。流石“カントク”。』

「まぁ、カントクたる所以はそんだけじゃないけどな…」

日向先輩は、私の頭をガシガシと乱雑に撫でながら言った。



(…そんなペットを可愛がるような撫で方じゃなくても良いのでは?)

ムスッと、目で訴えるが知らん振りされた。
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