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プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第1章 誠凜高校入学


整列中、落ち着きの無い1年生達。
その意識を此方へ集中させるべく、深く息を吸い込み声を張り上げた。

『1年、注目!!』

たった一息のだが、今日何度目かになる精一杯の声量な為、既に喉に違和感を感じる。

(明日からはのど飴を常備しておこう。)

そんな事を考えつつ、リコ先輩の隣へ並べば「ありがと」と、水の入ったペットボトルを手渡された。

「張り切りすぎて、喉を痛み掛けてるでしょ?」

(──!)

先輩はそれだけ告げると、一歩前に出る。

「男子バスケ部“カントク”相田リコです。宜しく!」

バイダーを片手に、堂々と自己紹介をする先輩。

(…もぅ、何か全部格好いいよ!)

ほぅ、と見とれている私。

それとは別に男達は、

「Σええ~!!?カントク!?」

と騒然。

「あっちじゃねーの?」

体育館入り口付近に立っている年配の先生を見て誰かが問う。

「ありゃ、顧問の武田センセだ。」

あっさりと1年達の常識を覆した事で、あっちこっちから「マジかよ?」とか「アリなの?」とか、動揺が見られた。

「んで、私の横に立っている子はマネージャーの紺乃真澄。1年生よ。」

紹介をされ、ペコリと頭を下げる。
相変わらずの無愛想面で。

(((あ、同じ一年なんだ。)))

1年からの好奇な視線に、一気に機嫌が悪くなる。

「彼女は去年から私達2年と交流があって、言わば妹的存在よ。マネージャーをするのは初めてみたいだから至らないところもあると思うけど、仲良くしてあげてね。」

先輩がポンっと私の背を押すので、その勢いで挨拶に入る。

『主にカントクのサポート役として、皆さんのお世話させて頂きます。初めての事ですが、生半可な気持ちで入部してませんので、これから役立てるよう勉強し、支えていく所存です。その上で…皆さんは先輩方の足を引っぱる事の無ないよう、部活に励んで頂きたく思います。でなければ……』

徐にポケットから鉛筆を出すと、顔の目の前で…

──ベキッ!!

『こーなる覚悟が必要になりますから、ね?』

“誠意を見せて下さい”と、最後に締めくると…
その場の空気を凍り付かせた。


(((Σッ何!?ιあのダークなマネージャー!!)))
(((誰だよ!?可愛いとか言ってた奴は!!;)))
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