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プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第9章 海常高校


「折角、広いから迎えに来たのに~、この仕打ちは酷いっスよー。」

黄瀬は覚束無い足取りでヨロヨロと私達の側へと寄って来た。

「そう、何度も大事なマネージャーにベタベタさせる訳にはいきませんから。」

黒子君は私に頭からタオルを被せると、更に背で庇い隠した。

(何というか、私より警戒心バリバリ?)

黄瀬だけでなく黒子君にも耳や尻尾が生えて見えるのは私だけだろうか?

静かに威嚇?している黒子君に対し、そんな事を知ったこっちゃ無い黄瀬は気にする事もせず、“だう~”と大量の涙を流しながら威嚇相手へとすがりつく。

「黒子っち~、あんなアッサリフるから…毎晩枕を濡らしてんスよ~、も~…」

余程、黒子君に断られた事がショックだったのだろう。黄瀬は、前回の話を掘り起こしては“女の子にもフラれた事無いんスよ~?”と、嫌みを含め溜め息をついた。

『あら、なら初体験ね。良かったじゃない。何事も簡単に事が運ぶと面白く無いのは知ってるでしょ?』

私は黒子君の背中からひょっこり顔だすと、悪戯めいた笑みを作る。
そんな私の“言いたい事”が解った黄瀬は、同じく悪戯めいた笑みを浮かべた。

「確かに、一理あるっス。…だから、黒子っちにあそこまで言わせる…火神君だっけ?君にはちょっと興味あるんス。“キセキの世代”なんて呼び名に別に拘りとかないスけど…俺もそこまで人間できてないんで…悪いけど本気でツブすっスよ。」

「ったりめーだ!」

火神君は黄瀬の挑発を物ともせず、口の端を吊り上げた。

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