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プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第7章 キセキの駄犬


<黄瀬視点>

俺の言葉に立ちはだかったのは、さっきの赤髪や、主将、監督でも無くて…

中学時代、いつも怠そうに後ろの席に座っていた紺乃真澄だった。

「何、で…?」

白地に黒が入ったジャージを身に纏う彼女は、首からストップウォッチをぶら下げ、黒子っちを庇うように仁王立ちしている。

「紺乃さんは誠凜バスケ部のマネージャーです。」

混乱中の俺に助け舟をくれたのは黒子っちだった。

マネージャー…?

「ΣΣあの“ものぐさ姫”が!?」

『どんなネーミングだよ。』

「Σだ、だってあの真澄っちっスよ!?何かする度、ある度、どこぞの忍者漫画のキャラ如く“面倒臭ぇ”って口にしてた真澄っちが雑用が多いマネージャー!?俺達があの手この手で、バスケ部のマネージャーに誘っても“面倒だから嫌”って頑なに一点張りだった真澄っちっスよ!?」

『まぁ、うん…否定しない。間違いなく私だよ。』

「なのに、何でスか!?…何で…っ…」

『何で…?今更マネージャー?それとも…何で、自分の居る強い“海常”じゃなく、発展途上である“誠凜”なのか?』

感情の無い眼に息が詰まる。

「…違う。」

…俺はそんな眼を真澄っちに、させたいワケじゃない。

確かに、誠凜に居る理由も、
マネージャーをやってる理由も知りたい。

(でもソレよりも、聞きたいのは…!!)

俺は無意識に彼女の手を引くと、抱き寄せた。

『Σちょ…黄瀬!?』

突然の行動に、胸を押し返す真澄っち。
けど、片腕で収まってしまう体は華奢で非力。
俺が逃げられ無いように両腕でガッチリと囲うと、適わないと思ったのか、抵抗せずに大人しくなった。

背を丸め、その小さな肩に顔を埋める。

「…何で…、此処に居るって、教えてくれなかったんスか。」

情けないくらい、掠れた声が出た。
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